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岐阜家庭裁判所 平成11年(家)15号

主文

申述人の相続放棄の申述を却下する。

理由

申述人Xは被相続人Aの三男であり、被相続人が平成5年2月24日死亡し、上記申述人が相続人となったことは一件記録上明らかである。そして申述人は被相続人の死亡の当日に被相続人死亡の事実及びこれにより自己が法律上の相続人となった事実を知ったことが認められるから、民法915条所定の熟慮期間の起算日は、申述人について平成5年2月24日であり、本件申述がなされた平成11年1月6日までに既に3か月の法定期間が経過していることが明らかに認められる。

もっとも、相続人が被相続人の死亡の事実とそれにより自己が相続人となった事実を知った後3か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全くないと信じたためであり、かつ、そう信じるについて相当な理由があると認められるときは、熟慮期間は、相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきであるが、本件では、申述人が被相続人の死亡の時点で、被相続人所有の不動産の存在を認識していることは申述人が自認するところである。

申述人は、平成10年10月13日頃に至り、債権者からの催告によって、被相続人が申述人の兄の経営する会社の債務について保証をしていた事実を知り、本件における熟慮期間はその時点から進行すると主張するが、被相続人の死亡の時点でその積極財産について上記のような認識があった以上、遺産分割協議の結果、申述人が何も取得しなかったとしても、熟慮期間は積極財産の一部の存在を知った被相続人の死亡時から起算すべきものと解するほかない。

よって、本件申述は不適法であるから、これを却下することとし、主文のとおり審判する。

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